ベッキーと乙武氏と桃田選手の問題

いつから日本は斯様にも倫理観の高い国になったかと驚かされる。ベッキーと一連の諸問題である。

思うに、これが普通のアイドルだとか女優であれば、ここまで叩かれ、長引くこともなかったはず。ベッキーは清純派でお利口さんキャラを旨とし、売りにしており、世間もそういう像を彼女に求め期待していた。そこから逸脱したために、ここまで叩かれるのである。

乙武氏については、こうだ。
敢えて率直に言うが、乙武氏は先天性の四肢切断という重度障害である。世間一般は、こういう重度障害なんだからまず結婚なんてものは諦めると思っている。そして彼のような障害があってセックスなどあり得ないものと決めてかかっている。
ところが、乙武氏は早稲田の後輩の綺麗な女性と結婚し、3人もの子宝にも恵まれている。普通であれば結婚など到底望むべくもないところを嫁に来てくれた。結婚生活も半分は介護だろう。そんな素晴らしい奥さんを裏切るなんて!と世間は考える。

かつて教職にあり、教育委員でもあった。国会議員の候補者ともされていた。しかしそういう立場で不倫している人など、乙武さんに限られたわけでもないだろう。

要は、重度障害者は恋愛、結婚、セックスなどとは無縁であるべき、障害者のセックスなんて想像できない、したくもないという、ラベリング、世間の期待する障害者像からの逸脱を糾弾されているのではないか。